【短編】野球バカに恋した結果



「バカじゃないの⁉」




あたしは無意識に、大輝の頬を引っ叩いていた。



もう知らない、大輝なんて知らない。




「あたしが欲しいのは、そんな感謝なんかじゃないっ…」




大量の涙が、頬を勢いよく滑り落ちる。



堪えれば堪えるほど溢れ出る涙は、もう止めることができなくて。




大輝の驚いた顔が、涙越しにぼんやりと見えた気がしたけど。




「バカ!意気地なし!大輝なんて結局その程度なんじゃんっ…」




何度も何度もジャージの袖で涙を拭いながら、必死に言葉を絞り出す。



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