【短編】野球バカに恋した結果
「マジで言ってんの?」
「マジだよ」
「本当にお前が、俺を支えてくれんの?」
大輝が少し照れながらそんなことを言うから、あたしも今さら恥ずかしくなって俯いた。
「あたしが支えるよ、大輝を」
「うん、じゃあ結衣を信じるわ」
思わず顔を上げると、照れくさそうに笑う大輝がそこにはいて。
「俺さ、正直自信なくなってたんだ。最近バッティングも上手くいかねえし、スランプ気味で…」
「…そっか」
「スランプくらいならどうってことねえけど、昨日武田と練習メニューについてもめて…ヤケになってた」
「うん」
「勢いで辞めてやろうと思ったけど、俺には野球しかねえし…お前もいるし。もう少し頑張ってみるわ」