恋する季節 *- confession of love -*

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「うわー、みんな浴衣だね!」

夏休み初日の金曜日の夕方。美琴たちは大きなテーマパーク、Nランドにいた。

彩乃が上機嫌でNランドの半額券を二枚持ってきたのが7月の終わり。
日にち指定のあるチケットを差し出し、都合がつかないからふたりで行ってきて!という彩乃に、大和は二つ返事でオーケーして、美琴もじゃあと頷いた。

そこまではよかった。彩乃の計画通り。

彩乃は、夏休みまでに、美琴にそれとなくジンクスの事を話して気分を盛り上げてやれば、なにかしらふたりの関係は進展するんじゃないかともくろんでいた。

恋愛方面にこそ疎く、過度にお人よしな面はあるけれど、それを除けば美琴の性格は女の子そのもの。
デートで行きたい場所ランキングで毎年一位を取るNランド、しかも恋愛ジンクスつきとなれば、美琴が浮かれないハズがないと踏んでいた。

恋愛ジンクスがあるのが観覧車というのがまた都合がいい。
ふたりきりの密室となれば勝手に雰囲気も出てくるだろうし、告白もしやすいだろうと、彩乃は心の中で完璧な作戦に自画自賛のガッツポーズを決める。






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