恋する季節 *- confession of love -*

「私はずっと、誰にも嫌われたくないとか誰も傷つけたくないって思ってたから、多分誰に対してもはっきり言えなかったんだと思う。
けど、それは大和と付き合った時点で終わりにしなくちゃいけなかったんだって気づいたの。
大和の隣にいたいなら、大和を大切にしたいなら……誰かを傷つける覚悟も必要なんだって」

ひとりでいる時には、曖昧な返事しかできなくても、ぼんやりとした言葉で断るだけでもそれでよかった。
それで困るのは結局は美琴本人だけなのだから。

だけど、先日の広田との事があってから、美琴も色々と考えていた。
あんな風に大和を言われてしまうのは、すべては自分がはっきりとした態度を示していないからじゃないかと。

大和といられれば、美琴はそれだけで嬉しかったし満たされた。
だからそれでいいとも思えていたけれど、でもやはりそれは違うんだと、浅海の言葉を聞いて確信したのだ。

ハッキリしない態度は、自分以外を傷つけるのだと。