恋する季節 *- confession of love -*


あいつ、美琴を馴れ馴れしく呼びやがって……!
ちょっと間違えて腕組まれただけのくせに調子に乗ってんじゃねぇ!と怒りにわなわなしながら、突進しようと一歩踏み出した大和だったが……。

続いて聞こえてきた美琴の言葉に、足が止まる。

「あ……うん。じゃあ」

美琴がまさかそんな簡単に誘いに応じるとは思わなかった。

男嫌いの美琴は、講義や学食で隣に男が座る事さえ嫌がるほどだ。
だからこそ、大和も時間をかけてゆっくりと近づき、隣に座っても笑顔を向けてもらえる距離まできた。
二年弱もかけて、やっと隣にいられるようになったのに。

なのに、今目の前で美琴は初めて顔を見たような男の誘いを受けていて……。

ありえない光景に混乱した大和はただその場に立ち尽くす。
頭の中が真っ白になり、そのまま動くことができなかった。






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