恋する季節 *- confession of love -*


本当だったら、男子とペアを組まなくちゃいけないくらいなら入る気はなかった。
だけど、自分の事を気にかけた大和が、浅海を押しのけて自分の方に歩いてきている事に気づいたから、ひとりでいたらダメだと思い仕方なくこの男子の誘いを受ける事にした。

自分が誰か相手を決めれば、大和も安心して浅海を含む他の子と組めると、そう思っての行動だった。

自分ばかり気にかけさせるわけにはいかないと、美琴なりに勇気を出したつもりだったのだが……。
やはり、いざふたりきりになってしまうと居心地が悪い。

大和とはふたりきりでも不快感は何一つ感じない。
だから、自分の男嫌いも直ってきたのだろうかと少し期待はしていた美琴だったが、お化け屋敷に入って数秒でその答えは激しくNOだという事を気づかされた。
とにかく居心地が悪い。今の美琴の心情はその一言に尽きる。

だから足早にお化け屋敷内を進んでいた美琴だったが、ついてこないパートナーに気づいて立ち止まる。
振り返ると、立ち尽くしている男子がこちらを見ていた。


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