恋する季節 *- confession of love -*
「これさ、間でぶらぶら揺れてんのも邪魔だしさ……その、手、繋いでない?」
関係の進展どころか、さきほどから何度も繋いでいる手なのに、もう一度繋ごうとするのでさえ緊張している始末だ。
大和が言うのは、美琴の左手と大和の右手の間で揺れる三本の糸。
今は座ってるだけだし、そのままにしておいても邪魔だという事はなかったのだが……せっかくふたりきりだしと勇気を出しての言葉だった。
美琴から見ても、座っている分には糸が邪魔だなんて事はないのは分かっていたけれど……大和の言葉に戸惑いながらも少し微笑んで頷いた。
そっと触れてきた大和の手を、美琴もそっと握り返す。
大きくてごつごつした手は、紛れもなく男の人の手で、そんな手を自分から握っているのが美琴はなんだか不思議だった。
ずっと怖がって避けてきたハズの手なのに、今は怖いどころか守られているような気持ちにさえなる。
……ドキドキする。
「……あのね」
「ん?」
「私、大和と手繋ぐの、嫌じゃないから……」
「……え?」
「お化け屋敷出た時、振り払らおうとしちゃったけど……あの時も言ったように、嫌じゃないから。
私こういうの慣れてないし……好きな人相手だから、その、ドキドキしちゃって挙動不審になっちゃったり変な事言ったりするかもしれないけど……。
でも……嫌じゃないから。大和に触られるの」
「さ、触られ……?」