絶滅危惧種『ヒト』
「ねぇ梓ぁ~来週は付き合ってよ」


朋美が口を尖らせて言う。


「分かった。分かったってば」


「って言いながら、先週も桜小路くんとデートで、ドタキャンだもんね」


「いや、あれはさぁ」


「いいっていいって、女の友情より彼氏なんだもんね?」


「そんなこと言ってないじゃん」


「じゃあ今週は絶対だからね」


「はいはい」


「じゃあ電話して」


「はい?」


「桜小路くんに電話して、次の日曜は私と予定があるからデート出来ないって言っといてよ」


「だから~いちいちそんな」
「ダメ!」



「もう!」


「もうじゃない! だって先々週から言ってるのに!」


「分かった。分かったってば」


梓はため息を吐いた。

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