絶滅危惧種『ヒト』
中に入ると少し埃っぽく感じる。
確かに掃除のし甲斐はありそうだと朋美は思った。
「じゃあ始めましょうか」
朋美は買い物袋の中から、ゴソゴソと清掃用具を取り出す。
「先に掃除機とかかけたほうがよくないかな?」
「ああ、そうですねぇ……。じゃあそうしましょう」
朋美に言われて、孝明は掃除機を取り出しに行った。
始めて一時間ほどのところで、朋美は掃除を止めて、夕飯の支度をすることにした。
母と自分の為以外に料理するのは初めてのことである。
気がつけば、妙にウキウキしている自分がいた。
ずっと母と二人暮らしで、身近に男性がいなかったから、男の人が好む料理っていうのが良く分からない。
テレビなんかで観ると、それは肉じゃがだったり、カレーだったり、ハンバーグだったりするみたいだけど、相手は大人の男性である。
買い物のとき、スーパーで何にしようかって聞いたら、何でも良いっていう、一番困る回答をされてしまった。
なので今日は、掃除もあるから簡単に作れるシチューにしたのだ。
「美味そうな匂い」
ルーを鍋に放り込んで混ぜ始めると、孝明が嬉しそうな顔で近づいて来た。
その顔を見て、朋美の胸がキュンとときめく。
「ダメですよ~掃除をサボっちゃ」
朋美は笑顔で返した。
確かに掃除のし甲斐はありそうだと朋美は思った。
「じゃあ始めましょうか」
朋美は買い物袋の中から、ゴソゴソと清掃用具を取り出す。
「先に掃除機とかかけたほうがよくないかな?」
「ああ、そうですねぇ……。じゃあそうしましょう」
朋美に言われて、孝明は掃除機を取り出しに行った。
始めて一時間ほどのところで、朋美は掃除を止めて、夕飯の支度をすることにした。
母と自分の為以外に料理するのは初めてのことである。
気がつけば、妙にウキウキしている自分がいた。
ずっと母と二人暮らしで、身近に男性がいなかったから、男の人が好む料理っていうのが良く分からない。
テレビなんかで観ると、それは肉じゃがだったり、カレーだったり、ハンバーグだったりするみたいだけど、相手は大人の男性である。
買い物のとき、スーパーで何にしようかって聞いたら、何でも良いっていう、一番困る回答をされてしまった。
なので今日は、掃除もあるから簡単に作れるシチューにしたのだ。
「美味そうな匂い」
ルーを鍋に放り込んで混ぜ始めると、孝明が嬉しそうな顔で近づいて来た。
その顔を見て、朋美の胸がキュンとときめく。
「ダメですよ~掃除をサボっちゃ」
朋美は笑顔で返した。