絶滅危惧種『ヒト』
「人類は増えすぎたんじゃないだろうか……」
「父さん……」
「俺がオマエの歳くらいのとき、地球の人口は四十億人だった。それが今じゃあ七十億人を越えている」
父に見つめられて、直樹は思わずツバを飲み込んだ。
「オマエが飼ってる熱帯魚。あの水槽に何匹入ってる?」
「えっ……と、二十匹くらいだけど」
「そこに百匹の魚を入れたらどうなると思う?」
「それは、全部死ぬと……」
「だろ? やはり何にでも適量というものがあると俺は思う。少ないと交配が上手く行かなくて絶滅するし、多すぎてもやはり何らかの支障を来たすと」
「確かに……」
「人類もまた然りだ。おそらく今は増えすぎてるんじゃないかと思う」
父に見つめられて、直樹は何も言い返せなかった。
「父さん……」
「俺がオマエの歳くらいのとき、地球の人口は四十億人だった。それが今じゃあ七十億人を越えている」
父に見つめられて、直樹は思わずツバを飲み込んだ。
「オマエが飼ってる熱帯魚。あの水槽に何匹入ってる?」
「えっ……と、二十匹くらいだけど」
「そこに百匹の魚を入れたらどうなると思う?」
「それは、全部死ぬと……」
「だろ? やはり何にでも適量というものがあると俺は思う。少ないと交配が上手く行かなくて絶滅するし、多すぎてもやはり何らかの支障を来たすと」
「確かに……」
「人類もまた然りだ。おそらく今は増えすぎてるんじゃないかと思う」
父に見つめられて、直樹は何も言い返せなかった。