誠の華‐此処にいる幸せ‐
ある日の夜。
「としさん……?」
「音愛か…」
「どうしたんですか」
「何で俺らは幕府を裏切り、生きているんだろうか。何であのとき慶喜公はあぁ言ったのか。」
「それは皆を死なせたくはないからですよ」
「守らなくちゃいけないのは新政府でもなく、民の幸せだろう。残してきた今津や幕府側のやつらなんて未来があるかもわからねぇじゃねぇか。それで生きているっていえんのか」
「くるしまなくていいんです。彼等の分も幸せにならなければ。」
「そうだな」
もうすぐ春が来る。新しい時代の幕開けだ。