私の隣の幽霊くん。


「…通夜は明日の夜に行われる。全員参加だが用事あるひとは居るか…?」


先生は涙を拭いながら、鼻声で静かに皆へ呟く。


彼は先生達からの信頼も厚かった。頭も良く、雑用やクラスのまとめる係りなど嫌な顔一つせず引き受けていたからだ。


「行かないわけないじゃないですか!みんな行くに決まってる…っ」


先生の問いに、席を荒々しく立ち、涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら叫んだのは、彼と一緒に学級委員長をやっていた久留沢 敦子(クルサワアツコ)だった。


久留沢敦子は分厚い眼鏡をかけ、いつも勉強しかしていない真面目な女子だったが、彼に想いを寄せていたらしく、最初に彼が学級委員長に決まった時、空いていた学級委員長の女子枠にすぐさま立候補していた。


それを見たクラスの中心になったいる女子達はブーイングしていたが、結局立候補を下りることはなかった。


それほど彼のことを想っていたということ。


    
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