私の隣の幽霊くん。


母親らしき人は目を真っ赤にして、顔は涙でボロボロで今にも倒れそうな勢いで、それを旦那さんが支えているって感じ。


「クラスの皆さんも那央の顔を見てあけでください…」


妻を支えながら、辻谷那央の父親は私達、クラスメイトにそう呟いた。


そう言われた瞬間、周りのみんなは一斉に辻谷那央の棺桶に群がる。


その場に残されたのは私とのあと田邊くんだけ。


    

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