私の隣の幽霊くん。


「…そうだな。…よし!皆、泣き止むんだ!きっと皆が泣いていると辻谷も悲しむ!明日は笑顔で辻谷と会おうじゃないか!」


さっきまでボロボロ流していた涙を服の裾で雑に拭い、先生はいつも見せる笑顔でそう叫んだ。


それに皆はコクコクと頷き、涙を拭っている。


…皆、本当に彼の事が好きだったんだなぁ。


涙を一滴も流していない私は、こうやって周りの状況を頭の中で実況している。


周りから見たら私は冷酷で最低な奴なのかもしれないけど、今の私には涙を流している余裕なんてない。


寧ろこうやって周りを実況していないと、頭の中がパンクして、発狂してしまいそうだ。


それは──…、隣で“浮いている”彼のせい…。


    
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