【短編】俺の可愛い妹
学校の帰り道、武ちゃんと巨乳の女の人が腕を組んで歩いているのを見かけた。
そして大きな声で、武ちゃんを呼び止めちゃったんだ。
立ち止まった武ちゃんは、いつもの様に優しく笑って。
隣の巨乳の女の人は、怪訝な顔で『武、この子誰?』って聞いたんだ。
そして、いつものセリフ。
『梓衣は俺の可愛い妹』
でも、その女の人が
『え? 武、妹いないじゃん。この子、中学生?』
って馬鹿にしたように言ったんだもん。
何だか腹がたって。
『おばさんには関係ないっ!
武ちゃんにとったら、おばさんなんて遊びだよ』
って言っちゃった。
間に入ってなだめる武ちゃんを無視して言いたい放題。
挙句、その女の人は怒って帰っちゃうし。
武ちゃんにも怒られちゃうし。
あたしと武ちゃんの歳の差は10個。
16歳のあたしと、26歳の武ちゃん。
あたしは、武ちゃんにとったら妹でしかないのかな。