妄想ガールの王子様
「おはよー小林さん。早いね!」

集合時間15分前に着いたのに春田くんは既に来ていてカメラの調子を合わせていた。

「うん。何か早く目が覚めちゃって……」

春田くんと少しでも長くいたい。

それがわたしの正直な気持ちだった。

「そっか。こっち来て」

春田くんは優しく笑って彼が座っている横を指差した。

「朝は街の雰囲気が違うよね」

「うん。俺って結構早起きするタイプだから
たまに朝の街を自転車でぶらついたりしてるんだ」


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