妄想ガールの王子様
日野くんの手のひらがわたしの耳たぶに触れる。

途端にわたしは固まってしまって動けなくなる。

「日野、梨乃が困ってる」

「え?んなことないでしょ?」

日野くんは目元を細めて聞いてくる。

「あ、あの……」

「離れろって!」

春田くんが無理やりわたしから日野くんの手を引きはがす。
< 130 / 164 >

この作品をシェア

pagetop