妄想ガールの王子様
日野くんはわざと身震いしてみせる。

「日野くんって姉妹にはさまれてるから気が利くんだね?」

「うーんそうかな?俺は別に気を使ってるつもりはないんだけどね」

なんて軽くマンガを叩きながら言った。

「梨乃ちゃんは何買うの?」

「え!?」

わたしはとっさに持っていた本を後ろに隠す。

「あ!もしかして……
エロい本……とか?」

「ち、違うよっ!!!」

大声で否定したので一斉に周りの視線を浴びる。



< 139 / 164 >

この作品をシェア

pagetop