妄想ガールの王子様
あれ……?何か怒ってる?

「日野くん?」

わたしは日野くんの背中に声をかける。

「梨乃ちゃん今日の海楽しみだね♪」

それはいつもの日野くんの明るい声と笑顔で。

わたしはホッとしてうなずいた。

「あの、この本の事は……」

「ハルには秘密……でしょ?」

「う、うん」

日野くん軽くわたしの頭をなでるとじゃあね~と手を振って行ってしまった。


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