妄想ガールの王子様
「日野くん?」

「梨乃ちゃんは俺とここにいて?」

「?うん……」

春田くんの姿が見えなくなると

「……梨乃ちゃん。少し歩こうか?」

と日野くんは立ち上がってわたしの手を引いた。

日野くんの手はゴツゴツしていて『男の子』を感じさせた。

潮風が日野くんの長めの髪を撫でている。


< 147 / 164 >

この作品をシェア

pagetop