妄想ガールの王子様
日野くんと二人で浜辺を歩いた。
日野くんは星を眺めながらポツリと言う。
「あの三角形で言えば俺はデネブだなぁ……。
織姫の星のアルタイルの近くにいるのに届かない」
その声は静かな海辺に溶けていく。
わたしはただ黙って彼の隣で同じ星を見つめていた。
しばらくして春田くんが堤防を降りてくるのが見える。
「あ~悪いけど俺、帰るわ」
日野くんは小声でそう言った。
「は?お前意味わかんねーな……」
春田くんは買ってきた花火を見てため息をついた。
「いや~金魚に餌やるの忘れたからさ。
家であいつらが腹を減らしてると思うといてもたってもいられない訳よ」
日野くんはいつもの様に笑って
『じゃあな~』
とわたし達を残して帰ってしまった。
日野くんは星を眺めながらポツリと言う。
「あの三角形で言えば俺はデネブだなぁ……。
織姫の星のアルタイルの近くにいるのに届かない」
その声は静かな海辺に溶けていく。
わたしはただ黙って彼の隣で同じ星を見つめていた。
しばらくして春田くんが堤防を降りてくるのが見える。
「あ~悪いけど俺、帰るわ」
日野くんは小声でそう言った。
「は?お前意味わかんねーな……」
春田くんは買ってきた花火を見てため息をついた。
「いや~金魚に餌やるの忘れたからさ。
家であいつらが腹を減らしてると思うといてもたってもいられない訳よ」
日野くんはいつもの様に笑って
『じゃあな~』
とわたし達を残して帰ってしまった。