妄想ガールの王子様
「ちょっと、梨乃~もっとマシな服なかったの~?」

カナはわたしの服を見るなり呆れて小声で言う。

「だって香乃が……」

わたしは泣きそうな顔をして一緒に来ている女の子たちを見た。

女の子はわたしとカナを入れて5人。

わたし以外はバレー部の子みたいだ。

みんな雑誌にのっている可愛くて華やかな服を着ている。

それに比べてわたしは……。

これじゃ場違いだ。

お城の舞踏会にうっかり迷い込んだみたいな気持ち。
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