妄想ガールの王子様
何だか情けなくて帰りたくなってきた。

今なら男の子達は来てないから引き返せる。

「カナ、わたしやっぱりかえ……」

「あ!来た!お~い!こっちこっち!」

カナはふいに明るい声を出してこちらに歩いてくる集団に手を振った。


北高の男の子たちだ。

「よーっす!あ~皆可愛いね~」

カッコイイ茶髪の人が笑って言った。

わたしはうつむいて自分の存在を押し殺した。

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