妄想ガールの王子様
そりゃそうだ。

こんな地味な子誰も見ない。

みんなはロビーで楽しそうに話していたけどわたしを気に掛ける人はいなくてそっとその場から抜け出した。

店から出るとケータイにメールが入る。

カナからだ。

『今日は途中で抜けてごめんね(>_<)
カラオケどうだった?いい人いた?』

『いい人』

わたしの脳裏には誰も浮かばなかった。

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