妄想ガールの王子様
春田くんの横顔は夕陽に照らされて淡く輝いていた。

通った鼻筋に薄い唇。

長めの前髪から覗く茶色の目は夕陽色に溶かされて……。

まるでチョコレートのように甘い色をしていると思った。

「小林さん、喉かわかない?
あそこの自販機があるから何か買ってこようか?」

春田くんは優しく微笑んで言った。

「あ、私も一緒に行くよ」

そしてわたしたちは二人で堤防近くの自販機の前に行く。

「えっとどれにしようかな……」

お財布を取り出しながら迷っていると

「ね、それ何?」

と春田くんがわたしのお財布に入っていたカードを指差した。


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