妄想ガールの王子様
「実はあれから……」

わたしは昨日のカラオケの後の事をカナに報告する。

「え~いい感じじゃない!」

「べ、別にそんなんじゃないよ」

「いやいや、海辺で二人っきりって
もうヤバいでしょ!!」

「ちょっと声が大きいって」

カナの声にクラスの注目が集まる。

「何なに~どうしたのお二人サン?」

ふいに明るい声が割り込んでくる。

校則ぎりぎりまで染められた長めの髪。

耳にはいくつものピアス。






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