妄想ガールの王子様
「梨乃ちゃん?何か悩み事?」

「えっ?」

「さっきからため息ばっかりついてるからさ……気になって」

日野くんって結構鋭い……。

わたしは動揺を悟られない様にうつむいた。

「大したことじゃないよ……」

そう。別に大したことじゃない。

ただ春田くんからメールが来ないだけ……。

それだけなのにわたしはすっかり気分が落ち込んでしまっている。

「いや、やっぱり何か悩んでるね!俺の男のカンがそう言ってる!」



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