甘い彼に満たされて




倒れていた美杏を思いだし、柄にもなく肩が震えた。


この場所に、他の誰かがいたのなら、この言い様のない不安や恐怖を共有できたのかもしれない。



しかし、この場には俺以外、誰も居ないのだ。



学校で休んでいる佐久間には、偶然授業のない教師がついているときいた。



その事を、不謹慎だが羨ましく思う。




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