甘い彼に満たされて




白い紙に綺麗な字で書かれたそれは、恵梨さんからの置き手紙だった。



『ゆっくりしていってね。』



そう書いてあって、恵梨さんの気遣いを感じた。



ほとんどの時間この病室にいる恵梨さんが、わざわざ病室を出て。



俺たちを二人きりにしてくれたのだから。



ふわっと心が温かくなるような感覚に思わず笑みが零れる。



窓から差し込む夕日も、とても柔らかく感じられて、とても心地よい。




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