【完・短編】好きだよ、祥ちゃん。



私がこの声を聞き間違えるわけがない。







私が彼の姿を見間違えるわけがない。






……………祥ちゃん。







『何でじゃねーだろ。プリント持ったままサボりやがって』








「…………あ」






完全に忘れてた、プリントの存在なんて。






『あ、じゃねーよ、アホ』






そう言って、意地悪そうに笑うから。





そんな顔見せるから。





ますます好きになってしまうんだ。







「探しに来て……くれたの?」







『あぁ、俺の大切な大切な









プリントちゃんを』






……………ですよね、はい。





プリント……。





駄目だ、手に持ってるプリントが急に憎くなってきた。





てか私、プリントに妬くとか、かなり重症?







「こんなやつ…こうしてやる!」






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