【完・短編】好きだよ、祥ちゃん。
好きな人から可愛くないとか言われたら悲しいじゃん。
私の気持ち知ってるくせに。
『仕方がねーな。はいはい、里桜は可愛い可愛い』
私の頭をポンポンしながら、祥ちゃんは優しく笑う。
子供扱いされてる気がするけど気にしない。
「わぁーい、祥ちゃん大好きっ」
『ありがと、でも大好きはむやみやたらに使うんじゃないぞ?』
「なによ、先生ぶっちゃって」
『いやいや、ぶってって……。俺は教師だバカ』
コツンとおでこを殴られた。
ちょっと痛いけど気にならない。
だって、この胸の方が何倍も痛むから。
"教師"
そのワードだけが頭のなかをグルグルと駆け巡る。