【完・短編】好きだよ、祥ちゃん。
「だって……嬉しくて」
祥ちゃんがフッと笑ったかと思うと一気に視界が暗くなった。
その代わりに温もりを感じた。
自分の体温じゃない、他の人の温もり。
私……
祥ちゃんに抱き締められてるの?
『これくらいで泣かれたら困るんだけど』
「……え?」
『だって次の言葉言ったら里桜、嬉しすぎて死ぬんじゃない?』
耳元で囁かれる低く甘い声に一気に心拍数が上がる。
ドキドキしすぎて胸が苦しい。