【完・短編】好きだよ、祥ちゃん。
はぁ、と溜め息をついて壁に寄り掛かる。
そんな私に
『お前、どんだけ里田が好きなんだよ』
両手をポケットに入れてダルそうに立った一人の男が声をかけてきた。
『悠生(ゆうせい)には関係ないでしょ』
「ないね。でも幼馴染みがいつまでも叶わぬ恋をしながら溜め息ばっかついてるのは見ててイライラするんだよ」
悠生。
山元 悠生。
家が隣の私の幼馴染み。
無愛想でなに考えてるのか分からない、口の悪いやつ。
たまーに、優しい。
「はぁ?なにそれ」
『里田は25でお前は17。お前みたいなガキ里田が相手するかよ』