【完・短編】好きだよ、祥ちゃん。
どれくらい、こうしてるんだろう。
私は今、屋上のドアの前にいた。
残念なことに私の高校は屋上は立ち入り禁止。
四時間目の開始を告げるチャイムはとっくに鳴っていた。
あーあ。
祥ちゃんの授業だったのにサボっちゃったよ……。
「祥ちゃん……」
片想いを始めて一年。
この一年、私は必死に努力した。
科学を猛勉強して、積極的に発表したり質問したり。
何とか祥ちゃんの記憶に残ろうと私なりに努力した。
そしてやっと私の大好きな優しい笑顔で
『里桜』
そう呼ばれるようになった。
祥ちゃんの傍にいればいるほど
好きになった。
でも
祥ちゃんの傍にいればいるほど
先生なんだって思い知らされた。
叶わぬ恋って
許されないって
痛感させられた。
でも
「それでも……祥ちゃんが好き」