彼の者、魔王と云ったそうな

「もうよい、お前のような奴が彼の悪五郎と繋がっておるとはどうにも思えん。今日はこれにて失礼する」


「おう、また来てなあ」



もうヤダ、来たくない。

さも嫌そうな顔をする山ン本だったが、ふと斬刄を振り下ろす。


スパッと切れた一枚の葉。


その真っ二つに切れた葉の向こう側には、へらへら笑う縁の姿があった。



「天晴れ!」

「? たかが葉の一枚くらい…」


「え? その葉ぁ、術かかってんねやで。毒やったやろか」



先に言え。

思わずその葉に手を伸ばしかけた山ン本は、東の妖怪が震え上がるほど怖い顔をして縁を睨みつけるのであった。

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