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「合格祝いの手紙かしらね?」
「でも私、受かったこと言ってない」
「そんなの母さんが話しちゃったわよ、とっくの昔に」
「あ、そう…」


 自分でいいたかったなあ、なんて。

 真っ白な封筒はれんちゃんの手作りのようで右下にはこれまた手作りの消しゴムハンコでクローバーが押されている。
 クローバーは、れんちゃんの好きなトランプのマークで、物心ついた時から好んで使っていたらしいからこれはもう彼からのものであるに違いなかった。

 それだけでも胸が騒ぐ。

 丁寧に封を開ける。中には2つ折にされた手紙が2枚、入っていた。




--みつばへ
  志望してた大学、受かったみたいだね。おめでとう。



 そんな書き出しの、手紙。

 れんちゃんがかなり淡々としてたのは知ってるけど、手紙でも固いなあ。

 思わず恋ちゃんの事を思い出して、時々笑いながら読んだ。

 内容は、志望校に受かってよかったねということと、れんちゃんのちょっとした近況。
 それと受験前って分かってたけど、行けなかったこと、すごく気にしてるみたいだった。

 そんなのいいのに。

 
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