また あした
いきなり、先輩があたしの頭を軽く撫でた。
ふ、触れないでっっ。
声を出したかったけど出せなくて、
焦って手を振り払い、慌てて後ずさりをする。
あたしを見た先輩は、とても驚いた表情をしている。
「美愛?」
あたしは耐えられなくて、一言『ごめんなさい』と言って、その場から逃げてしまった。
美波が後を追って、あたしの腕をつかんだ。
あたしは、足をとめ、美波の方を向いた。
「なんで逃げるの?」
いや、そりゃあ...。
「なんでって、急にあんなことされたら...」
「美愛はうらやましいよ~。あたしも一回されてみたいな」
それはあたしをからかってるんですか?
なんで男って生き物は軽々しく女を触ろうとするの。
そういうところが嫌なんだよね!
「美愛、帰ろっか」
「うん」
素っ気なく返してしまった。
歩き出す美波の横顔は、なんだかまたさみしく感じられた。