また あした
第2章 私の過去
夢
2003年1月16日
桐山 美愛、三才。
ここは、前の家?
そして、あたしとお父さん……?
「おとさーん、おかさんはー?」
「ん?今おかさんは病院だよ」
「おかさん具合悪いのー?お熱あるのー?」
「違うよ。もうすぐ美愛に、妹ができるんだ。その準備かな」
準備。準備ってなんだ。
あたしに妹なんかいないはず。
「妹?美愛に妹ができるの?美愛、お姉ちゃんなるのー?」
「そうだぞ? いい子にしてれば美愛もお姉ちゃんになれるんだ」
「やったー!じゃあ美愛いい子にするー」
産婦人科。
目の前には、お母さん……?
横でお父さんが泣いている。
あたしは、何してるの?
ただ、ボーッと見てるだけ。
何が起こったのかわからないの?
そして、お母さんの腕の中には……。
産まれたばかりの赤ちゃん。
その子は、泣こうとも、騒ごうともしてない。
動いてない。
唇が紫色に変色している。
死んで……るの………?