また あした




「いったぁぁ」


誰かとぶつかってしまったみたい。

...!?

男。


「あ、ごめん。立てるか?」



「だ、大丈夫ですっ。立てますっ」


慌てて立ちがあるあたしは、浅いお辞儀をして、その場からすぐに立ち去ろうとした。


「おい?」


呼び止められた瞬間、背中にむしずが走った。


「は、はい?!」


相手は、心配そうに、あたしの顔を覗き込んでくる。


でもあたしは、視線を横にそらして、目を合わせないでいた。
























< 9 / 82 >

この作品をシェア

pagetop