悪夢
「ゆうなおねえちゃんきょうもうるさかったから、しゃがんだときにそれであたまにぶつけたの。そしたらいきなりだまっちゃった」
すごいでしょ?達也はニコニコ笑ったまま。
どうすればいいかわからなくて、ただがくがくと震えていると
「ただいまー!はぁ、疲れたぁ」
呑気な様子でお母さんが帰ってきた。
「あれっ?どうしたの瑞姫…優菜!?」
リビングに入ってくるなり、優菜の異変に気づき駆け寄ってくる。
「どういうこと?」
聞いてくるお母さんの声は震えていた。
それもそのはず、帰宅したら娘が倒れているのだもの。冷静さを保っているので精一杯なんじゃないかと思う。