スキというキモチのカタチ。
「俺だって男だから、こんなホテルに入るのなんて躊躇わないし何度も利用してきた。

もしこのはがこんなとこに入るのを誰かに見られてたら、これから先の恋愛にマイナスにしかならないのに。
それを解っててここに連れてきたのは、お前が独りで逃げられない場所だって分かってたからだ…。ごめん。」





思わぬ謝罪に頭を殴られたような気分だった。


(じゃあ…じゃあなんでここに連れてきたの⁈)



怒りにも似た悲しみにこのはは包まれる。



ポロリと涙が落ちた。





言葉よりも先に、涙が溢れた。



「あた、アタシは、構わない、のにっ、彬、ちゃんがスキ、だっ、だからっ‼」



泣きながら伝える。
零れ落ちる涙を拭いもせず、ひたすらに伝える。



「彬ちゃんがスキ!
何回だって言うから‼
彬ちゃんが解ってくれるまで、何回だって‼」





抱きしめていた彬の腕が緩んだ。




(あ…)





唇に柔らかな感触。



触れるだけの優しいキス。



初めて見下ろす彬の顔は照れて真っ赤だった。



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