スキというキモチのカタチ。
土曜日だから、ゆっくりできるな。



そう彬に言われてハッとする。



「無断外泊しちゃった!」



どうしよう…お母さんに何て言い訳しよう。



焦るこのはの背中を彬がポンと叩く。

「おじさんとおばさんには俺から話す。

ちゃんとケジメつけたいしな。このはを嫁さんにしたい、って。」




い…今サラッとすごい事言いませんでしたか、この人。


「彬ちゃん…。」



「今はまだお付き合い宣言だけな。
俺は結婚も考えてる。

嫌か?このは。」


いきなり話がぶっ飛んでますよ…。



「嫌なわけない…。」


そう言うだけで精一杯。
幸せがいっぺんに押し寄せてきて、あっぷあっぷだ。


手を繋ぎ、自宅近くの駅のホームまで帰ってきた。


ふとスマホの振動に気付く。


「あ、美来からだ。」


開いたメールにはこのはを心配する内容が書かれていた。

「なんだって?」





「あれからどうなったの、って…。」



繋いだ手を握り返し、恋人繋ぎにする。


「ありのままに。」



腰を屈めてこのはを見つめる彬に、このはは精一杯の背伸びをしてキスをした。



「ありがとう。」


アタシの気持に答えてくれて。




アタシ、幸せだよ。






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