君ノキオク。
君ノキオクⅠ
昔話でもしようか?
私の名前は
凉風 藍(すずかぜ あい)。
一人の息子ともう一人の小さな命を
宿した普通の30歳の主婦。
そして
愛しの旦那様の
凉風 恭一朗(すずかぜ きょういちろう)。
芸能関係の仕事に付いていて
元凉風財閥の御曹司。
私と付き合ってから、普通の生活が好きになったらしく、家族と絶縁してもなお
私と一緒にいてくれる人。
で、
私の一人息子
凉風 亮介(すずかぜ りょうすけ)
この子と恭一朗は、血の繋がってないの。
私と前の旦那の子ども。
だけど、恭一朗はそんなこと気にせずに
亮介を愛してくれて
亮介も恭一朗をほんとの父親だと思えてるみたい。
『ねぇ!母さん!!』
「うん?なぁに、亮介」
いつの間にか夕飯を食べ終わった亮介が
夕飯を食べ終わって食器を洗っている私のところへきた。
いつもは、来ないくせに…どぉしたのかしら?
『あのー、さっ、俺の父さんって、どんな人だった?』
「えっ?あんた、会ったことあるじゃない?」
確かに、亮介が6歳のころに元旦那の
梶原 祐介は、死んでしまった。
けれど、ちゃんと会っている。