【短編】新しい恋
やることをやると大輝はタバコを吸う。
私は、その隣で大輝に背をタバコを吸ってる。
終わると私達に会話はない。
ただ、大輝がタバコを吸い終わるのを短くなったタバコを灰皿に押し付けてひたすら待つ。
「じゃ、帰るわ」
「…ん、送る」
「俺は仕事休みだけど莉奈は仕事だろ?」
明日は日曜だから大抵の仕事が休み。
でも私は福祉関係に勤めてるから休みはバラバラ。
日曜が休みの日もあるけど、ほとんど平日が休み。
日曜が休みの大輝は、大抵、土曜の夜に連絡してくるけど
友達と飲みに行った帰りだと夜中に連絡が来ることがある。
そんな時は、いつも玄関から出て門まで見送ってるのを玄関先でいいと言う。
正直、そんな気遣いをするくらいなら最初から連絡しないで欲しい。
そう思う反面、会えることを嬉しく思ってる自分がいる。
「じゃ、おやすみ」
「…おやすみ」
大輝が玄関を出たと同時に私は物音を起てないように階段を上る。
そのまま、大輝の温もりが残る布団に包まれ声を殺して泣いた。
「…ッ……ヒクッ…」
大輝が帰った後、布団に包まれて泣くことは習慣になってる。
割り切ってるフリをするのは正直、キツい。
ただ大輝から連絡があるのを待つことがツラい。
でも、この日から二週間
大輝から連絡がなかった。
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