【短編】新しい恋
江藤さんから告白されて一週間。
世間では大型連休に入ってるけど私の仕事は祝日とか関係ない。
だけど久々に友達が帰省するから休みを取った。
駅まで車で友達を迎えに行って、ご飯を食べてドライブをしてたら
大輝から電話で「迎えにきて」
そう言われたから友達に許可をもらって迎えに来たら
大輝の友達が数人居た。
それだけならいいけど
私と友達は連れ回されて
最後には大輝のワガママで大輝を家まで送り友達を送った後、大輝を迎えに行った。
そこでケンカになった。
初めに迎えに行った時もケンカして
カラオケの前でケンカして
コンビニの前でケンカして
今だって車の中でケンカしてる。
「莉奈といると疲れる。」
「私だって疲れる。」
売り言葉に買い言葉。
大輝の言葉にムカついて思わず言ってしまった。
「てか、車から降りろ!」
「イヤ」
「だったら私が降りる」
そう言って私はドアを開けた瞬間
大輝に腕を掴まれて止められた。
「私といると疲れるんでしょ?」
「そうだけど…」
「さっさと大好きな彼女の所に帰ったら?」
言いたくもない言葉が勝手に出てくる。
さっき友達と3人でいるとき嫌ってくらいに彼女への惚気を聞いた。
『一番好きな人に気持ちが伝わらない。』
友達のこの言葉で大輝の彼女への気持ちを思い知らされた。
『俺は一番好きなヤツと付き合えてる。
彼女のこと愛してるから。』
酔っ払いの言葉だって聞き流せばすんだのかもしれない。
でも、酔ってるときに本音が出るって聞いたことがある。
だから、あれが…
「てか、莉奈も男作ったら?」
「お前に関係ない!私が男作らなくてお前に迷惑かけてるわけじゃない。」
「かけてる。」
「……」
泣きそうになった。
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