夜空に甘い星が降る
☆1☆ 写真のプリンス
チャイムが鳴り終わり、担任が教室から出ていくと、途端に夏休みの計画話があちらこちらから飛び交った。


「…瑠李ちゃんは、夏休みも部活?」

「そうだね。合宿もあるし」


幼稚園からの幼なじみ、市橋瑠李(いちはし るい)は、慌ただしく自分の机の周りの荷物を纏めながら、あっさり答えた。


「…剣道楽しい?」

「楽しいばかりじゃないよ。どうした?急に」


瑠李は手を止め、不思議そうな目で私を見た。


「ただなんとなく…」

「陽菜も何か部活入れば?」

「乙女ゲーム部があれば入る!」

「それ、活動は何するの?」

「乙女ゲ。あと、キャラについて語りあったり?」

「クラブ作れば?やってる人、結構いるんじゃない?」

「えっ?!無理だよ!やってる顔とか見られたくないし」


瑠李は呆れた目をして、作業に戻った。
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