夜空に甘い星が降る
「ごめんなさいね。お待たせして」


近付いて来た気配に気付かず、ビクッとなった私に「あら、何処を見ていたのかしら?」と、その人はイタズラっぽく笑った。


「ここのマスターの藤樫です。ビックリさせちゃってごめんなさいね」


オネエ口調ではあるが、見た目は紛れもない男の人だった。


黒渕メガネの奥に見える目元が涼しげで、モデルでもやっているのかと思う程、顔立ちもスタイルも良い。


(オネエ口調の人って、ホントに居るんだ…)


「あら?アナタ。適応力があるのね」

「えっ??」

「ふふっ。オカマの独り言よ」
マスターは意味ありげに笑った。
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