サンドリヨンは微笑まない
「来年、四十の社長には言われたくありません」
四十!?
社長の顔を思わず見ると、目がバッチリ合ってしまって、逸らす。
「今何思ったか正直に言ってごらん? 怒らないから」
両頬を掴まれて痛い。言う前に痛い。
そして既に怒っている平井さん。
助けを求めようと藤堂さんを見たら、叩かれた腹いせか、平井さんの資料を二つ折りして平井さんの背後から忍び寄っていた。
ちょっと待ってください、それあたしの命も危ない!
「ひはひはん、うひりょ」
「はあ?」
バカにしたような声出しても、こうさせてんのあなたですからね。
というところで、命拾いした。