サンドリヨンは微笑まない
折角のオフなのに。
勉強、そして、遼と。
「勉強しといた方が良いよ、あたしなんて中卒だからね」
藤堂さんがフォローするように言ってくれたけれど、フォローになってないです。そして中卒なのか藤堂さん…。
あたしは遠い目をしてやり過ごした。
岸田さんは何も言ってこなかった。
「…遼くんと、喧嘩したの?」
運転席にいる岸田さんが赤信号で車を停めて、こっちを向いた。
目を瞑っていたから眠ったふりも出来たけれど、あたしも岸田さんの方を向く。
「うん?」
「赤点回避したって聞いたよ、遼くんのおかげじゃないの?」