サンドリヨンは微笑まない

心を落ち着けて、思う。

そういえば、勉強関係なしに遼と会ったことってないかも。

となると、勉強道具が必要な感じがして、部屋まで取りにいく。

怪訝な顔をしてそれを見た遼に、言わなきゃいけないことがあった。


「あのですね、試験の報告が遅れたのは夏休みになってから忙しくなって。行く暇もなくて、あの、それに遼も色々忙しいかなって思って…」


はい、お察しの通り、言い訳です。

呆れた遼の顔が険しくなっていくのを見て、失敗した、と思ったけれど。


「ごめんなさい」


結局謝るあたし。



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